アロマテラピー

アロマテラピー

アロマテラピー

アロマテラピーの由来

「アロマテラピー」という言葉は、「アロマ」(芳香)と「テラピー」(療法)を組み合わせた造語です。フランスの化学者・調香師のルネ・モーリス・ガットフォセ(Rene-Maurice Gattefosse)によってつくられました。彼は化学の実験中に爆発事故を起こし、両手にやけどを負いました。そのとき、とっさにラベンダーの精油をかけたところ、みるみる回復。この経験から、精油の治療的な効果に目覚め、研究に没頭しました。アロマテラピーという言葉が初めて使われたのは、ガットフォセが1937年に出版した「Aromatherapie(芳香療法)」という著書においてです。

 

アロマオイルについて

アロマオイルの構成

アロマオイルは、エッセンシャルオイル(精油)をキャリアオイルで希釈(薄めた)したものです。

キャリアオイル

「精油」の有効成分を体の中に「運ぶ」機能を持つため、「carrier キャリア」(運搬する・伝達するもの)の名前がつけられました。ホホバオイル、グレープシードオイル、オリーブオイル、マカダミアナッツ油、小麦胚芽オイルなどが使われています。
プレジャーでは、皮膚をやわらかくする効果があるとされ、ビタミン、ミネラルを多く含み、化粧品の材料としても使われる無臭のピュア・スイートアーモンドオイルを使用しています。美肌づくりに有効な「オレイン酸」をたっぷり含有しており、保湿効果も高いことから、最適と判断しました。

エッセンシャルオイル(精油)

エッセンシャルオイルの原料は、植物の花、植物の葉、樹皮、樹脂、果物の皮などです。100%天然物質で、原料から「水蒸気蒸留法」「溶剤抽出法」「圧搾法」を用いて取り出します。原料に含まれている精油の量は、ごくわずかです。例えば、ハーブの葉1kgから1回の蒸留で抽出できるのは、0.1ml。わずか2滴分です。有効成分が高濃度で凝縮されていますので、充分に希釈する必要があります。

希釈の目安

エッセンシャルオイルの希釈濃度ですが、トラブルを避けるため、基本的には1%です。
(社団法人)日本アロマ環境協会の推奨値
初めて参加される女性には、「アロマテラピーオイルマッサージの経験の有無」をお伺いしています。過去に経験が無い場合には、さらに薄めて0.5%を目安にします。香りは弱くなりますが、トラブルを避けることが第一です。何も問題が無ければ、次回参加の時には、通常の1%で調整させていただきます。

使えるのは、合計で10滴

施術者2名-3名のオイルマッサージのため、キャリアオイルは1回50mlを基準にしています。
エッセンシャルオイルの1滴は約0.05mlなので、1%を守るために、使えるのは合計で10滴まで。(0.5%の場合には5滴まで)
10滴の範囲内であれば、複数のエッセンシャルオイルを自由に組み合わせて、お好みの香りを作ることができます。

 

エッセンシャルオイルの機能

植物はなぜ精油を分泌しているのか?

植物は動物と違い動けません。動けない植物は、光合成により太陽からエネルギーを作りだし、鳥や昆虫などの動ける生物をたくみに利用して種の繁栄を図っています。例えば、ミツバチを利用して受粉したり、鳥を利用して食べた植物の種を肥料(鳥の糞)といっしょに別のところへ運ばせたりなどです。また、植物は自ら動物の食物となっています。光合成によって動物に酸素も供給しています。ここに植物と動物の見事な共栄共存関係が成立しています。つまり、植物は動けませんから、「香り」を以下のような情報として利用しています。その香りの元となる物質が「精油」です。

精油の機能

精油には様々な機能があり、これらは人体にも有益な効果をもたらします。
1.誘引効果
植物は、花や果実の香りによって昆虫や鳥などを引き寄せ、受粉したり、種子を遠くへ運んでもらいます。
2.忌避効果
植物は、虫や鳥が嫌がる匂いを出して寄せ付けないようにし、タンニンなどの、苦味物質を分泌することによって摂食されることを防ぎます。また、カビや有害な菌が発生することを防ぎます。
3.成長抑制効果
植物は、生存競争を生き抜くために、他の植物の発芽や成長を抑えます。松の落ち葉に含まれる芳香成分には、他の植物の育成を阻害する働きがあることなどが知られています。
4.冷却効果
植物は、精油を蒸発させて自分を冷却し、熱さから身を守ります。
5.ホルモン効果
植物は、生体内で、ホルモンのような働きをする生理活性物質として働きます。

以上の効果を植物から「お借りし」人間に有益な効果を得ることがアロマテラピーの趣旨になります。

 

エッセンシャルオイルの薬理作用

以下の情報は「一般的に言われている」エッセンシャルオイルの薬理作用を説明しています。
プレジャーでの使用によって、効果を保証するものではありません。

エッセンシャルオイルの薬理作用

精油の機能を果たすための成分(例:酢酸リナリル、ゲラニオール)は人体に、以下のような薬理効果をもたらします。
1.鎮静作用(イランイラン、クラリセージ、サイプレス、ゼラニウム、パチュリー、ベルガモット、ラベンダーなど)
神経系を鎮静させ、心身の働きをリラックスさせる作用。 眠気を促す催眠作用につながることがあります。
2.鎮痛作用(ユーカリ、ローズウッド、ローズマリー、ベルガモット、クラリセージ、カモミールなど)
痛みを和らげる作用。炎症を和らげる作用。血行を良くする事によって痛みを和らげる作用。麻酔のような作用。
3.消化・食欲増進作用(スィートオレンジ、グレープフルーツ、ジンジャー、タイム、ライムなど)
胃腸の消化活動を高めたり、食欲を増進する作用。
4.健胃作用(オレンジ、ジュニパー、ジンジャー、ナツメグ、ペパーミント、ローズマリー、クローブなど)
胃の働きを良くする作用。
5.ホルモン調節作用(イランイラン、ゼラニウム、クラリセージ、ネロリなど)
ホルモンの分泌を調整する作用。 視床下部から下垂体への経路で調整するものがあります。精油成分がホルモンの構造に似ているため直接的に作用するものがあります。
6.去痰作用(サンダルウッド、シダーウッド、ティートゥリー、フランキンセンス、ペパーミント、ベルガモット、ユーカリなど)
痰を排出させやすくする作用。
7.刺激作用(クローブ、シトロネラ、バジル、ユーカリ、ラベンダー、レモングラス、ローズマリーなど)
心身の活動を刺激し、高める作用。
8.強壮作用(カルダモン、クラリセージ、ジュニパーベリー、ゼラニウム、ネロリ、フェンネル、マンダリンなど)
身体の各部や全身の働きを活性化し、強化する作用。
9.免疫賦活作用(ラベンダー、コリアンダー、ゼラニウム、ティートゥリー、ペパーミント、ローズマリ−など)
免疫の働きを強め、活性化する作用。
10.利尿作用(カルダモン、サンダルウッド、ジュニパーベリー、ゼラニウム、ラベンダー、レモングラス、ローズマリーなど)
尿の排泄を促進する作用。
11.収斂作用(クラリセージ、シダーウッド、ペパーミントなど)
皮膚を引き締める作用。
12.保湿作用(フランキンセンス、ゼラニウム、サンダルウッド、ローズウッドなど)
皮膚に潤いを与え、乾燥を防ぐ作用。
13.エモリエント作用(カモミール、サンダルウッド、ゼラニウムなど)
皮膚を柔らかくする作用。
14.殺菌作用(ジュニパーベリー、タイム、パチュリー、ラベンダー、レモングラスなど)
バクテリアなどの菌を殺す作用。
15.抗菌作用(ジュニパーベリー、タイム、ティートゥリー、ユーカリ、パイン(松)など)
細菌の増殖を抑える作用。
16.抗真菌作用(ラベンダー、カルダモン、クラリセージ、ジンジャー、ゼラニウム、バジル、ベルガモット、レモングラス、ローズウッド、ローズマリーなど)
カビの増殖を抑える作用。
この.他にも、抗ウイルス作用、.殺虫、虫除け作用、抗うつ作用、神経強壮作用、記憶力アップ、集中力アップ、鎮咳作用、などさまざまな薬理作用を持つ精油がたくさんあります。植物の生命力、恐るべし!

 

カウンセリング

アロマオイルに使用するエッセンシャルオイルを選ぶためのカウンセリングについて説明します。

一番大切なのは、女性本人の好み

精油の薬理作用は様々ですが、何よりも大切なのは女性本人の「好み」です。プレジャーでは50種類以上の精油を用意しています。自由に香りのチェックをしていただいて、お好みの香りを選んでいただきます。もし、あまり精油の知識が無く、「どれを選んでいいか、わからない」「おすすめは何ですか?」と言われたら、シニアメンバーが香り選びのアドバイスを行います。

カウンセリングの注意点

精油の薬理作用について説明する時には、違法にならないよう注意が必要です。「この精油は○○に効きますから使いましょう!!」とやると、医療行為とみなされ、医師法・薬事法違反を問われる可能性があります。説明する時には「この精油は○○に効くと言われています」と一般論で説明をする必要があります。あくまでも決めるのは女性ご本人で、シニアメンバーは情報提供のみ。女性の選択をアシストする立場に徹します。

好みの香りの系統をお伺いします。

例えば、「さわやかなフルーツの香り(柑橘系)、「緑豊かな森の香り(ハーブ系)」「甘いお花の香り(フローラル系)」「Hな気分を盛り上げる香り(エキゾチック系)」の中で、今日の気分だとどれがいいですか?とお尋ねします。
ここで、メインにする香りの系統を決めます。

体調について、お伺いします。

次にその日に体調をお伺いします。睡眠不足た疲れ具合、肩コリ、腰痛、足のむくみの有無などをお伺いし、、またメインにする系統の精油の薬理作用の情報をお伝えして、興味のある薬理作用を女性本人に選んでいただきます。

いただいた情報を元にご提案

メインにする香りの系統の中に興味のある薬理作用と一致する精油があれば、おすすめします。
無ければ、同系統の他の精油をいくつか、さらに興味のある薬理作用の他の系統の精油をいくつか提案して、香りを確認していただきます。もしかすると、ここで「香り」重視よりも「薬理作用」重視に変わわってしまうかもしれませんが、選択は女性本人の意思を尊重します。「選ぶ楽しみ」もアロマテラピーの重要な要素ですから、時間をかけて、使う精油りが決まるまで、情報提供を続けます。

主力の精油が決まったら、ブレンドする精油を選びます。

決まった精油との相性が良い精油をいくつかおすすめし、香りの確認をしていただきます。この時に単品だけの確認では無く、ブレンドした状態での確認も忘れてはなりません。

配合量のご相談

メインの精油とブレンドする精油が決まったら、配合量を女性に決めていただきます。精油は8滴使えますので、この範囲の中で「メイン4:サブA2:サブB2」や「メイン5:サブA2:サブB1」など自由に決めていただきます。

最後に使用する精油と配合量を女性ご本人に意志で決めた旨、確認をいただきます。

 

ブレンディングについて

1種類のエッセンシャルオイルでも、アロマの効果は充分ですが、複数のエッセンシャルオイルをブレンドすると、香りがさらに豊かになります。また、薬理作用の相乗効果も引き出せます。その日の気分によって、体調によって、様々な組み合わせのブレンドを楽しんでください。ここでは、ブレンディングの際に考慮すべき点を説明します。

フレグランスノート

香りの持続時間による変化のことです。
トップノートのエッセンシャルオイルは最初の15分間が最も香りを感じることができます。立ち上がりは早いですが、香りの持続時間は短くなります。
柑橘系に多いタイプです。
ミドルノートはトップノートの終了後、約2時間香りが持続します。立ち上がりはゆっくりですが、その後2時間主役になります。
フローラル系に多いタイプです。
ベースノート(ラストノート)はミドルノートの終了から約12時間香りが持続します。立ち上がりは遅いですが、長時間香りが持続します。
樹木系、樹脂系に多いタイプです。
ブレンディングの際には、トップ、ミドル、ベースからそれぞれ1種類を選ぶと時間による香りの変化が楽しめます。

香りの強さ

エッセンシャルオイルの性質によって、香りの強さがそれぞれ異なります。
ブレンディングの際に香りの強いものと弱いものを同量ずつにすると、強い方だけが前面に出てしまいます。両方の特徴を楽しみたいのなら、香りの強いものは少なめに、香りの弱いものは多めにブレンドすると、両方の香りが楽しめます。

相性

ブレンドすると、互いの香りを引き立て合って相乗効果をもたらす組み合わせもあれば、互いの香りを殺してしまう組み合わせもあります。
これは個人的な好みの差も大きいので、一概には言えません。ある人が「最高」と感じるブレンドが、ある人には「こりゃ、ダメだ」ということもあります。
トップノートの柑橘系同士は、互いの特徴を殺してしまうケースが多いですが、ミドルノートのフローラル系同士は、甘い豊かな香りが広がる相乗効果を生みます。個別のエッセンシャルオイルの説明には、一般的に「相性が良い」とされるものを掲載しています。

フレグランスノート、香りの強さ、相性の3点を考慮してブレンディングすれば、より素敵な香りに巡り合えると思います。

 

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